A-10's Page
イギリスとヨーロッパ大陸を隔てるドーバー海峡、嘗て此処はかの有名なバトルオブブリテンが繰り広げられた場所であるが、このドーバー海峡に面する海岸線にベントウォータース空軍基地(RAF Bentwaters)と言う英空軍の航空基地が有り、以前はソ連を中心とする軍事組織ワルシャワ条約機構に対応するNATOの重要拠点であった。我々日本のマニアには縁遠いものの、この基地に3個飛行隊ものA-10が展開していたのだ。第81戦闘航空団(81st TFW)は、1951年からずっとここをベースに活動、1978年にF-4DからA-10Aを受領し東ヨーロッパのワルシャワ条約機構軍の機甲部隊に睨みを利かしていた訳である。冷戦終了後、一早く部隊は解散に追い込まれたが、81st TFWは、約40年間ここをベースに 冷戦に対応していた。
冷戦時代は、よく第3次世界大戦をテーマにした小説が出版されたが、こうした小説で必ず出てくるシナリオが50000台を超えるワルシャワ条約機構軍の戦車部隊による怒涛の進軍である。ソ連の傘下にあったポーランド,、チェコスロバキア(当時は1つの国)、ルーマニアと言った国々は元々陸軍国であり、あまり豊かでもなかった為に、金のかかる航空戦力より安く量を備えられるソ連製の戦車を大量に揃えていた。共産主義政府が力で国を統治する上でも、機甲部隊に頼った部分もあったのだろうが、これが常に西側NATO軍の脅威になっていた訳である。幸いの事に共産主義政権は次々に崩壊し、WWVはその時点では勃発しなかったが、若しこの戦争が始まったらNATOの武器は、機甲師団の侵入に対応して整備した中距離弾道弾と中性子爆弾 その次に来るのが、A-10、F-16を中心とした地上攻撃戦力だっただろう。ベントウォータースは、ドーバーを越えたイギリス本土から戦車狩りに大陸に向かうには都合のよい位置にあった。
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